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平成28年(ワ)第2720号 特許権侵害差止請求事件

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  • 2017/03/06
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事件番号等

平成28年(ワ)第2720号 特許権侵害差止請求事件

裁判年月日

平成29年2月16日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第47部)

権利種別

特許権(「生海苔異物分離除去装置における生海苔の共回り防止装置」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

一部認容一部棄却

趣旨

1 被告ニチモウは,別紙物件目録1記載の「生海苔異物除去機」を,譲渡し,貸渡しし,輸出し,又は譲渡若しくは貸渡しの申出をしてはならない。

2 被告ニチモウは,別紙物件目録2記載の「回転円板」を,譲渡し,貸渡しし,又は譲渡若しくは貸渡しの申出をしてはならない。

3 被告ニチモウは,その保持する別紙物件目録1記載の「生海苔異物除去機」及び同目録2記載の「回転円板」を廃棄せよ。

4 主文第1項ないし第6項同旨

5 被告ニチモウ,被告ワンマン及び被告Aは,原告に対し,連帯して546万円,及びうち410万円に対する訴状送達の日の翌日(被告ニチモウにつき平成28年2月5日,被告ワンマンにつき同月6日,被告Aにつき同月7日)から,うち136万円に対する平成28年11月3日(同年10月28日付け訴え変更申立書(2)の送達の日の翌日)から,それぞれ支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

6 (1) 主位的請求
 被告ニチモウ,被告ワンマン,被告A及び被告西部機販は,原告に対し,連帯して1390万円及びこれに対する平成28年11月3日(上記訴え変更申立書の送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  (2) 予備的請求
  ア 被告ニチモウ,被告ワンマン及び被告Aは,原告に対し,連帯して820万円及びこれに対する平成28年11月3日(上記訴え変更申立書の送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  イ 主文第9項同旨

争点

(1) 構成要件B1の充足性

(2) 本件特許に係る無効理由の有無
 ア 発明未完成,記載要件違反
 イ 拡大先願違反
 ウ 進歩性欠如

(3) 被告らによる共同不法行為等の成否
 ア 本件販売1及び3に係る共同不法行為等の成否
 イ 本件販売2及び本件転売に係る共同不法行為等の成否

(4) 損害額

裁判所の判断

・凸部Dは,底面部3b2から平面部3b1に向かって部分的に突き出ているといえ,「突起(物)」の意義が上記(1)のとおりであることからすれば,構成要件B1の「突起・板体の突起物」に該当するというべきである。よって,本件装置は,構成要件B1を充足する。

・本件特許に,実施可能要件,サポート要件及び明確性要件の各違反があるとはいえず,本件発明が,発明未完成であるともいえない。よって,本件特許に発明未完成及び記載要件違反の無効理由があるとは認められない。

・本件特許に進歩性欠如の無効理由があると認めることはできない。

・本件特許に法29条の2違反の無効理由があると認めることはできない。

・本件販売1及び本件販売3について,被告Aが会社法429条1項に基づく損害賠償責任を負うと認めることはできない。

・被告3名において被告西部機販が本件転売を行うことを知って本件販売2を行ったなどの原告主張に係る上記各事実を認めるに足りる証拠はない上,本件販売2及び本件転売は,それぞれ別個の当事者間の独立した取引行為(売買契約)であるから,仮に,原告が主張するような事実が認められるとしても,そのことから直ちに,本件販売2及び本件転売を一体として,被告らの共同不法行為が成立すると認めることはできず,原告の主位的主張は理由がない。

・本件販売2及び本件転売については,上記アのとおり,本件販売2について被告ワンマンが,本件転売について被告西部機販が,それぞれ不法行為に基づく損害賠償責任を負うに止まるものと認められる。

・よって,原告の請求は,主文の限度で理由があるからこれらを認容し,その余の請求はいずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。

キーワード

構成要件充足性/進歩性/拡大先願/実施可能要件/サポート要件/明確性要件/未完成発明/共同不法行為/主位的請求・予備的請求/損害額

 

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