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知財裁判例速報

平成28年(行ケ)第10103号 審決取消請求事件

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  • 2017/03/07
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事件番号等

平成28年(行ケ)第10103号 審決取消請求事件

裁判年月日

平成29年2月28日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第4部)

権利種別

特許権(「掴線器」)

訴訟類型

行政訴訟:審決(無効・不成立)

結果

請求棄却

趣旨

特許庁が無効2015-800093号事件について平成28年3月28日にした審決を取り消す。

取消事由

(1) 本件発明の容易想到性判断の誤り(取消事由1)
 ア 判断の遺脱
 イ 相違点に係る判断の誤り

(2) 実施可能要件に係る判断の誤り(取消事由2)
 ア 本件発明の要旨認定の誤り
 イ 実施可能要件に係る判断の誤り

裁判所の判断

・本件審決における本件発明の容易想到性の判断に誤りはない。よって,取消事由1は,理由がない。

・本件審決における実施可能要件に係る判断に誤りはない。よって,取消事由2は,理由がない。

・以上によれば,原告の本訴請求は理由がない。

キーワード

進歩性(相違点の判断)/実施可能要件


物の発明における実施可能要件の充足性について

実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

 

  原告は,本件明細書には,リング部を15°~45°に捻ることにより所期の作用効果を奏することを裏付ける記載はないから,本件発明の少なくとも一部につき,当業者がその実施をすることができる程度の記載があるということはできない旨主張する。
 しかし,物の発明における発明の実施とは,その物の生産,使用等をする行為をいうから(特許法2条3項1号),物の発明について実施可能要件を充足するか否かについては,当業者が,明細書の発明の詳細な説明の記載及び出願当時の技術常識とに基づいて,過度の試行錯誤を要することなく,その物を製造し,使用することができる程度の記載があるか否かによるというべきであって,所期の作用効果を奏することを裏付ける記載の有無いかんにより実施可能要件の充足性が直ちに左右されるものではない。



 

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