お知らせ・コラム

知財裁判例速報

平成28年(ネ)第10102号 損害賠償請求控訴事件

  • 知財裁判例速報
  • 2017/03/28
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

事件番号等

平成28年(ネ)第10102号 損害賠償請求控訴事件

裁判年月日

平成29年3月14日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第4部)
(原審・東京地方裁判所平成27年(ワ)第5619号)

権利種別

著作権(プログラムの著作物「通販管理システム(HTML)」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

控訴棄却

趣旨

1 原判決を取り消す。

2 被控訴人は,控訴人に対し,1896万4000円及びこれに対する平成27年4月25日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

3 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。

争点

(1) 本件プログラムの著作物性及び著作者

(2) 被控訴人による本件プログラムの複製権侵害の有無

(3) 控訴人の損害額

裁判所の判断

・本件プログラムの著作物性が認められない以上,その余の点について判断するまでもなく,控訴人の請求を棄却した原判決は結論において正当である。

・よって,控訴は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。

キーワード

創作性/作成者の個性



プログラムの著作物性について

実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

 

  著作物性が認められるためには,創作性(著作権法2条1項1号)を要するところ,創作性は,表現に作者の個性が表れていることを指すものと解される。プログラムは,「電子計算機を機能させて一の結果を得ることができるようにこれに対する指令を組み合わせたものとして表現したもの」(同条1項10号の2)であり,コンピュータに対する指令の組合せであるから,正確かつ論理的なものでなければならないとともに,著作権法の保護が及ばないプログラム言語,規約及び解法(同法10条3項)の制約を受ける。そうすると,プログラムの作成者の個性は,コンピュータに対する指令をどのように表現するか,指令の表現をどのように組み合わせるか,どのような表現順序とするかなどといったところに表れることとなる。
 したがって,プログラムの著作物性が認められるためには,指令の表現自体,同表現の組合せ,同表現の順序からなるプログラムの全体に選択の幅が十分にあり,かつ,それがありふれた表現ではなく,作成者の個性が表れているものであることを要するということができる。プログラムの表現に選択の余地がないか,あるいは,選択の幅が著しく狭い場合には,作成者の個性の表れる余地がなくなり,著作物性は認められなくなる。


 

判決文全文はこちら

原審の判決文全文はこちら

 RSSリーダーで購読する

内容についてご不明点などございましたら、ご遠慮なくお問い合わせ下さい



知的財産に関するご相談や疑問・質問など、お気軽にお問い合わせください。06-6345-7777 (営業時間:平日 9:00~18:00)