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平成29年(ネ)第10034号 特許権侵害差止請求控訴事件:オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用

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  • 2017/07/18
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事件番号等

平成29年(ネ)第10034号 特許権侵害差止請求控訴事件

裁判年月日

平成29年7月11日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第4部)
(原審・東京地方裁判所平成27年(ワ)第29159号)

権利種別

特許権(「オキサリプラチン溶液組成物ならびにその製造方法及び使用」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

控訴棄却
(※原判決は,本件特許は進歩性欠如により無効にされるべきものであるとして,控訴人の請求をいずれも棄却した。

趣旨

  1. 原判決を取り消す。
  2. 被控訴人は,原判決別紙被告製品目録1,2及び3記載の製剤を生産,譲渡,輸入又は譲渡の申出をしてはならない。
  3. 被控訴人は,原判決別紙被告製品目録1,2及び3記載の製剤を廃棄せよ。
  4. 訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。
  5. 第2ないし4項につき仮執行宣言

争点

(1) 技術的範囲への属否
 被告及び被告補助参加人(以下「被告ら」と総称する。)は被告製品が構成要件A及びCを充足することを積極的に争っていないから,技術的範囲への属否についての争点は後記ア~ウのとおりとなる。また,本件発明2は本件発明1の緩衝剤をシュウ酸又はシュウ酸ナトリウムと限定した発明であるから,本件発明1の構成要件充足性に関する主張は,本件発明2にも妥当する(なお,前記 訂正請求の可否は構成要件充足性に関する判断に影響しない。)。
ア 「有効安定化量の緩衝剤」(構成要件B),「緩衝剤がシュウ酸またはそのアルカリ金属塩」(同F),「緩衝剤の量が(以下略)」(同G),「2)緩衝剤の量が(以下略)」(同I)及び「緩衝剤がシュウ酸またはシュウ酸又はシュウ酸ナトリウムである」(同J)の充足性
イ 「安定オキサリプラチン溶液組成物」(同D)の充足性
ウ 「担体が水」(同E)の充足性

(2) 無効理由の有無
 被告らは,「緩衝剤」にはオキサリプラチン水溶液において分解して生じ提とすれば,本件特許には後記の無効理由があり,特許無効審判により無効にされるべきものであるから,原告は本件特許権を行使することができない(特許法104条の3第1項)と主張する。後記の各無効理由のうちア~エ,カ及びコは本件発明1及び2並びに本件訂正発明1(以下「本件発明等」という。)に,同キ~ケは本件発明1及び本件訂正発明1に,同オは本件訂正発明1に関するものである。
ア 「制癌性白金錯体の研究」と題する論文(以下「乙2文献」という。)に記載された発明(以下「乙2発明」という。)に基づく新規性欠如
イ 国際公開96/04904号公報(以下「乙3公報」という。)に記載された発明(以下「乙3発明」という。)に基づく新規性欠如
ウ 乙2発明に基づく進歩性欠如
エ 「The Thermal Reaction Substitution Kinetics of Oxaliplatin in Wa ter or Glucose Aqueous Solution」と題する論文(以下「乙1の1文献」という。)に記載された発明(以下「乙1発明」という。)に基づく進歩性欠如
オ サポート要件(特許法36条6項1号)違反
カ 乙3発明に基づく進歩性欠如
キ 「安定」についての明確性要件(同項2号)違反
ク 「緩衝剤の量」についての明確性要件違反
ケ シュウ酸以外の緩衝剤についての明確性要件違反,サポート要件違反及び実施可能要件(同条4項1号)違反
コ 「Circadian Rhythm in Toxicities and Tissue Uptake of 1,2-Diammino cyclohexane(trans-1)oxalatoplatinum(Ⅱ) in Mice」と題する論文(以下「丙3文献」という。)に記載された発明(以下「丙3発明」という。)に基づく新規性又は進歩性欠如

(3) 訂正の再抗弁(本件発明2関係)
 原告は,本件発明2に係る前記 の無効理由イ(乙3発明に基づく新規性欠如)及びカ(乙3発明に基づく進歩性欠如)に対して,訂正の再抗弁を主張する。

裁判所の判断

  • 当裁判所は,争点(1)(技術的範囲への属否)について,本件各発明における「緩衝剤」としての「シュウ酸」は,添加シュウ酸に限られ,解離シュウ酸を含まないものと解されるところ,解離シュウ酸を含むのみで,シュウ酸が添加されていない被告製品は,本件各発明の技術的範囲に属するものではないから,控訴人の請求はいずれも棄却すべきものと判断する。

キーワード

構成要件充足性/用語の意義(「緩衝剤」)



 

判決文

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