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知財裁判例速報

平成29年(ネ)第1627号 意匠権侵害差止請求控訴事件:植木鉢

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  • 2017/12/05
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事件番号等

平成29年(ネ) 第1627号 意匠権侵害差止請求控訴事件

裁判年月日

平成29年11月9日

担当裁判所

大阪高等裁判所(第8民事部)
(原審 大阪地方裁判所 平成28年(ワ)第7185号)

権利種別

意匠権(「植木鉢」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

控訴棄却

趣旨

  1. 原判決を取り消す。
  2. 被控訴人は,原判決別紙「被告製品目録」記載の製品を製造し,譲渡し,譲渡の申出をしてはならない。
  3. 被控訴人は,前項の製品を廃棄せよ。
  4. 訴訟費用は,第1,2審を通じて被控訴人の負担とする。
  5. 第2,第4項につき仮執行宣言

争点

本件意匠と被告意匠とが類似するか否か
 (1) 要部の認定
 (2) 本件意匠の顧客吸引力にただ乗りする形で,被告製品を製造販売行っていることについて

裁判所の判断

  • 控訴人は,本件意匠に係る植木鉢は大ベストセラー商品であるところ,被控訴人は,本件意匠の顧客吸引力にただ乗りする形で,被告製品を製造販売しているとも主張する。
  • しかしながら,前記認定判断のとおり,本件意匠と被告意匠は類似であると認めることはできず,本件意匠を侵害するものではないし,上記の事情によって類否の判断が左右されるものでもない。
  • 以上によれば,その余の点について判断するまでもなく,控訴人の被控訴人に対する請求はいずれも理由がないからこれを棄却すべきである。これと同旨の原判決は相当であり,本件控訴は理由がないから棄却する

キーワード

類否判断/要部/大ベストセラー/ただ乗り



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

 控訴人は,本件意匠の要部は,ペットボトル等の給水容器等を挿入するための円形孔部が,植木鉢と一体でかつ植木鉢を構成する部分として形成された意匠をもって,新規に創作されたということができ,本件意匠の要部は,円形孔部の植木鉢における配置にあり,給水ボトルの保持部の形状については本件意匠の要部ということはできないと主張する。
 確かに,前記引用の原判決「事実及び理由」第3の3(3)のとおり,本件意匠のように,給水容器の保持部が植木鉢の内側に入り込む形で一体となっている形状は公知の意匠にはなく,円形孔部の配置は新規であるといえるが,本件意匠は,部分意匠であり,植木鉢と円形孔部の具体的な位置関係自体を意匠権の内容とするものではない
 その一方で,需要者である学童あるいは初等教育機関の教員が,植木鉢の背面の斜め上から見るのが通常である(本件意匠にかかる植木鉢は,給水ボトル保持部の円形孔部にペットボトルを挿入して使用し,ペットボトル内の水分量に注目して使用するのが通常である。)以上,円形孔部と植木鉢のフランジ部との位置関係とともに,給水ボトルの保持部がどのような形をしているかについて注目すると考えられる。
 そうすると,本件意匠の要部は,植木鉢の背面上方に形成された給水ボトル保持部を形成する枠体部の形状であると認められる。

 

判決文

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