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平成28年(行ケ)第10225号 特許取消決定取消請求事件:ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法およびポリアリーレンスルフィド樹脂組成物

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  • 2017/12/11
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事件番号等

平成28年(行ケ)第10222号 審決取消請求事件

裁判年月日

平成29年11月29日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第3部)

権利種別

特許権(「ポリアリーレンスルフィド樹脂の製造方法およびポリアリーレンスルフィド樹脂組成物」)

訴訟類型

行政訴訟(特許取消決定)

結果

審決取消

趣旨

  1. 特許庁が異議2015-700133号事件について平成28年9月9日にした決定中,「特許第5708898号の請求項4ないし7に係る特許を取り消す。」との部分を取り消す。

取消事由

 (1) 本件発明4に係る同一性判断の誤り(取消事由1)
 (2) 本件発明5に係る同一性判断の誤り(取消事由2)
 (3) 本件発明6及び7に係る同一性判断の誤り(取消事由3)

裁判所の判断

  • 相違点1に係る構成,すなわち,PAS樹脂に対し0.01~1,200ppmの範囲となる割合でヨウ素原子を含有することが実質的な相違点ではなく,先願明細書発明Bに記載されているに等しい事項であるとはいえない。したがって,この点に関する決定の判断は誤りである。以上の次第であるから,原告主張の取消事由1は理由がある。 ・本件発明4は,先願明細書発明Bと対比して,相違点1において実質的に相違しており,先願明細書発明Bと同一であると認められないことは,前記のとおりであるから,本件発明4に新たな発明特定事項を追加する本件発明5についても,(少なくとも相違点1を有する点において)先願明細書発明Bと同一であるとは認められない。したがって,その余の点について判断するまでもなく,原告主張の取消事由2は理由がある。
  • 本件発明6(請求項6)と本件発明7(請求項7)は,いずれも本件発明4(請求項4)を引用するものであるところ,本件発明6と先願明細書発明C,本件発明7と先願明細書発明Dとの対比においても,相違点1以外に新たな相違点は存在しない(この点は,当事者間に争いがない。)。そして,前記のとおり,相違点1を発明特定事項として有する本件発明4が先願明細書に記載された発明(先願明細書発明B)と同一であるといえない以上,先願明細書に記載された発明(先願明細書発明C又はD)との間で同一の相違点1を有する本件発明6及び7についても,同様の理由により,先願明細書に記載された発明(先願明細書発明C又はD)と同一であるとはいえない。したがって,原告主張の取消事由3も理由がある。
  • 以上の次第であるから,原告が主張する取消事由1ないし3はいずれも理由があり,決定には取り消されるべき違法がある。

キーワード

先願発明との同一性(相違点の判断)



 

判決文

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