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平成29年(ワ)第31837号 損害賠償請求事件:プログラムの著作物

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  • 2018/02/27
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事件番号等

平成29年(ワ)第31837号 損害賠償請求事件

裁判年月日

平成30年1月30日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第47部)

権利種別

著作権(プログラムの著作物「DRA-CAD11」)  

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求一部認容 

主文

  1. 被告は,原告に対し,969万5700円及びこれに対する平成28年7月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  2. 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
  3. 訴訟費用は被告の負担とする。
  4. この判決は,第1項に限り,仮に執行することができる。

趣旨

  1. 被告は,原告に対し,1000万円及びこれに対する平成28年7月2日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

争点

(1) 被告による著作権侵害及び著作者人格権侵害の有無
(2) 被告による旧11号所定の不正競争行為の有無
(3) 原告の損害額

裁判所の判断

  • 以上によれば,原告の請求は,損害賠償金969万5700円及びこれに対する不法行為後である平成28年7月2日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める範囲で理由があるからこれを認容し,その余は理由がないからこれらをいずれも棄却し,原告の敗訴部分はごくわずかであるので,民訴法64条ただし書により訴訟費用を全て被告に負担させることとし,主文のとおり判決する。

キーワード

同一性保持権/翻案権/公衆送信権/不正競争防止法/技術的保護手段の回避/技術的制限手段の効果を妨げる行為



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  ①被告は,ヤフオクにおいて,あくまで「DRA-CAD11」建築設計・製図CAD 自体をオークションの対象物と表示して出品しており,「商品説明」欄には「DRA-CAD11」,「注意事項」欄には「ダウンロード品同等」「インストール完了までフルサポートさせて頂きます」,「発送詳細」欄には「ダウロード販売」(ママ)と記載されていたこと,②かかる表示を見てオークションに入札した顧客も,当然,本件ソフトウェアを安価に入手する意図で入札を行ったと推認できること,③被告は,顧客に対し,本件ソフトウェア及びそのアクティべーション機能を担うプログラムのクラック版(いずれも原告の無許諾)のダウンロード先をあえて教示し,かつこれらの起動・実行方法を教示するマニュアル書面を提供し,その結果,顧客が,本件ソフトウェア(無許諾品)を入手した上,本件ソフトウェアで要求されるアクティベーションを回避してこれを実行することができるという結果をもたらしており,被告の上記行為は,かかる結果を発生させるのに不可欠なものであったこと,④被告は,営利目的でかかる行為を行い,後記3認定のとおり多額の利益を得ていること,以上の事実が認められる。
  これらの事情を総合すれば,上記(1)の一連の経過により,被告は,本件ソフトウェアの一部に原告の許諾なく改変(アクティベーション機能の回避)を加え(本件ソフトウェアの表現上の本質的な特徴の同一性を維持しつつ,具体的表現に修正,変更等を加えて新たな創作的表現を付加し),同改変後のものをダウンロード販売したものと評価できるから,被告は,原告の著作権(翻案権及び公衆送信権)並びに著作者人格権(同一性保持権)を侵害したものと評価すべきであり,これに反する被告の主張は採用できない。なお,原告は,譲渡権侵害を主張しているが,有体物の譲渡ではなくソフトウェアのダウンロードが行われたものとして,公衆送信権が侵害されたものと解すべきである。

 

判決文

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