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平成28年(ワ)第37339号 著作権侵害差止等請求本訴事件等:映画の著作物

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  • 2018/03/16
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事件番号等

平成28年(ワ)第37339号 著作権侵害差止等請求本訴事件,損害賠償請求反訴事件

裁判年月日

平成30年1月23日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第29部)

権利種別

著作権(映画の著作物「沖国大ヘリ墜落事故」) 

訴訟類型

民事訴訟

結果

本訴:請求一部認容
反訴:請求棄却

主文

  1. 被告は,別紙1著作物目録記載1ないし4の各映像を含んだ別紙3映画目録記載の映画を上映し,公衆送信し,送信可能化し又は同映画の複製物を頒布してはならない。
  2. 被告は,別紙3映画目録記載の映画を記録した記録媒体から,別紙1著作物目録記載1ないし4の各映像を削除せよ。
  3. 被告は,別紙1著作物目録記載1ないし4の各映像を記録した記録媒体から,別紙1著作物目録記載1ないし4の各映像を削除せよ。
  4. 被告は,原告に対し,51万0160円及びこれに5対する平成27年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  5. 原告のその余の本訴請求をいずれも棄却する。
  6. 被告の反訴請求をいずれも棄却する。
  7. 訴訟費用は,本訴反訴を通じてこれを9分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
  8. この判決は,第4項に限り,仮に執行することができる。

趣旨

  1. 本訴請求
    (1) 主文第1項ないし第3項に同旨
    (2) 被告は,原告に対し,411万0160円及びこれに対する平成27年6月21日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
    (3) 被告は,別紙4謝罪広告要領記載の要領にて,別紙5謝罪広告内容記載の文20章の謝罪広告を1回掲載せよ。
  2. 反訴請求
    原告は,被告に対し,1950万円及びこれに対する平成28年4月5日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

争点

(1)本訴請求に関する争点
 ア 差止め及び削除を求める請求は特定されているか(争点1)
 イ 本件部分は「まだ公表されていないもの」(著作権法18条)に当たるか(争点2)
 ウ 本件映画に原告の名称を表示していないことは,「その著作物につきすでに著作者が表示しているところに従って」(著作権法19条2項)されたものといえるか(争点3)
 エ 著作権の行使に対する引用(著作権法32条1項)の抗弁は成立するか(争点4)
 オ 原告による著作権及び著作者人格権の行使は,権利の濫用に当たり許されないか(争点5)
 カ 原告が受けた損害の額(争点6)
 キ 差止め,本件各映像の削除及び謝罪広告の掲載の各必要性が認められるか(争点7)
(2)反訴請求に関する争点
 ア 原告が,被告からの本件各映像の利用許諾申請を拒絶した上で本訴事件を提起した一連の行為は,被告に対する不法行為を構成するか(争点8)  イ 原告が,被告との交渉内容を秘匿したまま,本件事件を提起した事実を自社の放送波で放送すると共に自社のウェブサイトに掲載し,マスコミ各社に同内容のリリースを配布した行為は,被告に対する不法行為を構成するか(争点9)
 ウ 被告が受けた損害の額(争点10)

裁判所の判断

  • 以上によれば,本訴請求(なお,原告は,金銭請求についてのみ仮執行宣言を求めている。)のうち,⑴著作権法112条1項に基づき,本件各映像を含む本件映画の上映,公衆送信及び送信可能化並びに本件映画の頒布の差止めを求める請求,⑵同条2項に基づき,本件映画を記録した媒体及び本件各映像を記録した媒体からの本件各映像の削除を求める請求にはすべて理由がある。⑶著作権(上映権)侵害の不法行為による損害賠償請求は,31万0160円及びこれに対する不法行為後の日である平成27年6月21日から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において理由があるが,その余の請求には理由がない。⑷著作者人格権(氏名表示権)侵害の不法行為による損害賠償請求は,20万円及びこれに対する不法行為後の日である平成27年6月21日から支払済みまでの民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において理由があるが,その余の請求(公表権侵害を原因とする部分を含む。)には理由がない。⑸著作権法115条に基づく謝罪広告の掲載請求には理由がない。他方,反訴請求にはすべて理由がない。
  • よって,主文のとおり判決する。

キーワード

上映権/頒布権/公衆送信権/氏名表示権/公表権/謝罪広告



 

判決文

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