知財用語集

自己指定

  • 特許法

 A国における特許出願(又は実用新案登録出願)に基づいてパリ条約による優先権を主張し、PCT国際出願をする場合に、その指定国にA国が含まれること。例えば、日本の国内特許出願に基づいて、パリ条約による優先権を主張してPCT国際出願を行い、その指定国に日本が含まれる場合、自己指定とみなされる。
 実務的には、日本の国内特許出願に基づいて、パリ条約による優先権を主張してPCT国際出願を行う場合に、願書の「日本を除外する」の項目にチェックしない場合、日本を自己指定することとなる。
※PCT国際出願は、原則、全ての締約国を指定したとみなされる(みなし全指定)。

 日本を指定国に含むPCT国際出願において、日本の先の国内特許出願を基礎として優先権を主張した場合、日本においては国内優先権の主張(特許法第41条第1項)がされたものとして扱われる。そして、日本の先の国内特許出願は、その出願日から1年4ヵ月を経過した時に取り下げたものとみなされるため(みなし取り下げ)、注意が必要(特許法第42条第2項、特許法施工規則第28条の4)。

 但し、日本を指定国に含むPCT国際出願において、先のPCT国際出願を基礎として優先権を主張する場合には、取り扱いが異なる。先のPCT国際出願の指定国から日本が除外されていない場合、国内優先権ではなく、パリ条約による優先権を主張したとして扱われて、先のPCT国際出願が取り下げられることもない。

◆自己指定のメリットとして、以下の点が挙げられる。

  1. 審査請求の期間及び特許権の存続期間が、優先権主張を伴うPCT国際出願の出願日から起算されるため、基礎出願よりも、審査請求の期間及び特許権の存続期間が長くなること。
  2. 審査請求料が、日本の国内特許出願よりも安いこと。

※参考 審査請求料
日本の国内特許出願 118,000円+請求項数×4,000円
特許庁が国際調査報告を作成したPCT国際出願 71,000円+請求項数×2,400円