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知財裁判例速報

平成28年(行ケ)第10126号 審決取消請求事件

  • 2017/01/10
  • 知財裁判例速報

事件番号等

平成28年(行ケ)第10126号 審決取消請求事件

裁判年月日

平成28年12月21日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第4部)

権利種別

意匠権(意匠に係る物品「吸入器」)

訴訟類型

行政訴訟:審決(拒絶)

結果

請求容認

趣旨

特許庁が不服2015-15464号事件について平成28年1月20日にした審決を取り消す。

取消事由

本願意匠が意匠法3条1項3号に該当するとした判断の誤り

裁判所の判断

本願意匠は,引用意匠と類似するとはいえず,意匠法3条1項3号に該当しないから,本件審決の判断は誤りであり,原告ら主張の取消事由は理由がある。よって,原告らの請求を認容することとし,主文のとおり判決する。

キーワード

需要者/使用の態様/類否判断/透明で着色されたカバー部で覆われた部分の認定


意匠における要部認定の捉え方の参考について

実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

 

  購入時などマウスピースカバー部が閉じられた状態では,透けて見えるにすぎないマウスピース部の端部の態様は,需要者に強い印象を与えるものとはいえない…(中略)…などとして,マウスピースの端部の相違点が,両意匠の類否判断に及ぼす影響は限定的であると主張する。
 しかし…(中略)…マウスピースカバー部の着色が従来から見られたものであって,それ自体がありふれたものであったとしても,本願意匠においては,透明で着色されたマウスピースカバー部の存在によって,マウスピース部の端部の形態により注意が向けられ,引用意匠に類似しないとの評価につながるものである。


 

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