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知財裁判例速報

平成28年(ワ)第5739号意匠権侵害差止等請求事件

  • 2017/02/20
  • 知財裁判例速報

事件番号等

平成28年(ワ)第5739号 意匠権侵害差止等請求事件

裁判年月日

平成29年2月7日

担当裁判所

大阪地方裁判所(民事第21部)

権利種別

意匠権(「美容用顔面カバー」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求棄却

趣旨

1 被告は,別紙被告商品目録記載1及び同2の各商品を製造し,譲渡し,譲渡のために展示し,若しくはインターネット上に掲載してはならない。

2 被告は,別紙被告商品目録記載1及び同2の各商品を廃棄せよ。

3 被告は,原告に対し,407万5000円及びこれに対する平成28年6月26日から支払い済みまで年5分の割合による金員を支払え。

争点

(1) 本件意匠と被告意匠の類否

(2) 本件意匠に無効事由があるか

(3) 原告の損害

裁判所の判断

被告意匠は本件意匠に類似せず,被告に意匠権侵害が認められないから,その余の点を判断するまでもなく,原告の被告に対する請求はいずれも理由がない。 よって,原告の被告に対する請求をいずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。

キーワード

類否判断/要部/修正混同説


本裁判例で採用された類否判断の判断基準(修正混同説)について

実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

 

  登録意匠とそれ以外の意匠との類否の判断は,需要者の視覚を通じて起こさせる美感に基づいて行うものとされており(意匠法24条2項),この類否の判断は,両意匠を全体的に観察することを要するが,意匠に係る物品の用途,使用態様,更には公知意匠にない新規な創作部分の存否等を参酌して,当該意匠に係る物品の看者となる需要者が視覚を通じて注意を惹きやすい部分を把握し,この部分を中心に対比した上で,両意匠が全体的な美感を共通にするか否かによって類否を決するのが相当であると解される。


 

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