事件番号等 |
平成27年(行ケ)第10231号審決取消請求事件 |
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裁判年月日 |
平成29年2月22日 |
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担当裁判所 |
知的財産高等裁判所(第3部) |
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権利種別 |
特許権(「黒ショウガ成分含有組成物」) |
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訴訟類型 |
行政訴訟:審決(無効・不成立) |
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結果 |
審決取消 |
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趣旨 |
特許庁が無効2015-800025号事件について平成28年3月28日にした審決を取り消す。 |
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取消事由 |
(1) 無効理由1(進歩性欠如) (2) 無効理由2(実施可能要件違反) (3) 無効理由3(明確性要件違反) (4) 無効理由4(サポート要件違反) |
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裁判所の判断 |
1取消事由1(サポート要件に関する判断の誤り)について ・以上によれば,サポート要件に違反しないとした本件審決の判断は誤りであり,取消事由1(サポート要件に関する判断の誤り)は理由がある。また,かかる判断の誤りが本件審決の結論に影響を及ぼすことも明らかである。 ・以上の次第であるから,その余の取消事由について検討するまでもなく,原告の請求は理由がある。よって,本件審決を取り消すこととして,主文のとおり判決する |
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キーワード |
サポート要件/課題 |
実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。
…被告は,本件発明は,黒ショウガ粒子の被覆剤として,ナタネ油あるいはパーム油を用いることを特徴とするものであり,「黒ショウガ成分を経口で摂取した場合においても,含まれるポリフェノール類を効果的に体内に吸収することができる組成物」を提供することを課題とし,その課題を「(黒ショウガ粒子)の表面の一部又は全部を,ナタネ油あるいはパーム油を含むコート剤にて被覆」することにより解決するものであるから,発明の詳細な説明に記載されたものであり,芯材である「黒ショウガ成分を含有する粒子」におけるコート剤によって被覆されている部分がごく一部である態様等,本件明細書の記載や本件出願当時の技術常識からみて,当業者が通常想定しないような極端なケースを挙げてサポート要件違反とすることは,適切な発明の保護が観点からみて不当である旨を主張する。
しかしながら,前記のとおり,サポート要件の趣旨は,要するに,発明の詳細な説明に記載していない発明が特許請求の範囲に記載され,公開されていない発明について独占的,排他的な権利を認めることを許容しないことにあるところ,本件発明には,「黒ショウガ成分を含有する粒子」の表面の僅かな部分を「油脂を含むコート剤」で被覆した態様が包含されているといえるのであるから,このような態様についてのサポート要件を検討することが不当であるとはいえないことはもちろんであって,上記被告の主張は採用することができない。