平成29年(ネ)第10016号 特許権侵害差止請求控訴事件:オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤
					
					
					
					
					
						
| 事件番号等 | 平成29年(ネ)第10016号 特許権侵害差止請求控訴事件 | 
| 裁判年月日 | 平成29年7月20日 | 
| 担当裁判所 | 知的財産高等裁判所(第2部)(原審・東京地方裁判所平成27年(ワ)第12412号)
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| 権利種別 | 特許権(「オキサリプラティヌムの医薬的に安定な製剤」) | 
| 訴訟類型 | 民事訴訟 | 
| 結果 | 控訴棄却 | 
| 趣旨 | 
	原判決を取り消す。被控訴人は,別紙被控訴人製品目録記載1~3の各製剤の生産,譲渡,輸入又は譲渡の申出をしてはならない。被控訴人は,別紙被控訴人製品目録記載1~3の各製剤を廃棄せよ。被控訴人は,控訴人に対し,1000万円及びこれに対する平成29年3月31日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 | 
| 争点 | 
被告製品は,本件発明の構成要件A,B及びDを充足するか(被告製品が本件発明の構成要件Cを充足することは争いがない。)。存続期間延長後の本件特許権の効力は被告製品に及ぶか。本件特許には次の無効理由があるか。ア 進歩性欠如(主引用例をそれぞれ乙10,乙47,乙7,乙48とするものであり,無効理由1ないし3,6に対応する。)イ 明確性要件違反(無効理由4,5に対応する。)
 本件延長登録には次の無効理由があるか。ア 政令で定める処分を受けることが必要ではなかったこと(特許法125条の2第1項1号該当性)
 イ 延長された期間が特許発明を実施できなかった期間を超えていること(同項3号該当性)
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| 裁判所の判断 | 
本件特許に係る構成要件A③の「オキサリプラティヌムの水溶液からなり」との文言は,オキサリプラティヌムと水のみからなる水溶液であって,他の添加剤等の成分を含まないことを意味するのであるから,オキサリプラチンと注射用水のほか,有効成分以外の成分として乳糖水和物を含有する被控訴人各製品は,構成要件A③を充足しない。したがって,被控訴人製品は,その余の構成要件について検討するまでもなく,本件発明の技術的範囲に属しないので,延長登録された本件特許権の効力は,被控訴人各製品に及ばない。以上の次第で,控訴人の本件各請求は,その余の点を判断するまでもなく,いずれも理由がなく,原判決は,結論において相当であるから,本件控訴を棄却し,また,控訴人が当審において追加した請求も理由がないから,これを棄却する。 | 
| キーワード | 構成要件充足性/文言の解釈(「オキサリプラティヌムの水溶液からなり」) | 
 
判決文