平成29年(行ケ)第10121号 審決取消請求事件:はんだ合金,ソルダペーストおよび電子回路基板
事件番号等
|
平成29年(行ケ)第10121号 審決取消請求事件
|
裁判年月日
|
平成30年2月14日
|
担当裁判所
|
知的財産高等裁判所(第2部)
|
権利種別
|
特許権(「はんだ合金,ソルダペーストおよび電子回路基板」)
|
訴訟類型
|
行政訴訟:審決(無効・不成立)
|
結果
|
審決一部取消
|
主文
|
- 特許庁が無効2016-800040号事件について平成29年4月24日にした審決のうち,特許第5723056号の請求項2~8に係る部分を取り消す。
- 原告のその余の請求を棄却する。
- 訴訟費用は,これを8分し,その1を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
|
趣旨
|
- 特許庁が無効2016-800040号事件について平成29年4月24日にした審決を取り消す。
|
取消事由
|
- 取消事由1(引用文献に基づく本件発明1の容易想到性に関する認定及び判断の誤り)
- 取消事由2~8(引用文献に基づく本件発明2~8の容易想到性に関する認定及び判断の誤り)
|
裁判所の判断
|
- 引用発明1及び4において,ニッケルは,クラックの発生を抑制するとともに,一旦発生したクラックの伝播を抑制する技術的意義を有し,これは,引用発明における課題である外部からの力に対して長時間耐えることに貢献するものといえる。このように引用発明1及び4において不可欠な要素であるニッケルを,任意成分とする動機付けは存在しない。したがって,引用発明1及び4のニッケルを任意成分として,相違点1及び3に係る構成を備えることは,当業者が容易に想到し得るものではない。よって,その余の点を判断するまでもなく,本件発明1は,引用発明1及び4から容易に想到し得るものではない。以上のとおり,取消事由1には,理由がない。
- 引用発明4~6にコバルトを添加し,その量を0.001質量%~0.1質量%として,相違点4に係る,「コバルトの含有割合が,0.001質量%以上0.1質量%以下(本件発明6については0.003質量%以上0.01質量%以下)」の本件発明2~8の構成とすることは,当業者が容易になし得たものである。
- 以上より,取消事由2~8には理由があるから,本件発明2~8に係る審決を取り消し,取消事由1には理由がないから,本件発明1に係る原告の請求を棄却することとして,主文のとおり判決する。
|
キーワード
|
進歩性(相違点の判断)
|
判決文