写真を使用する場合の標準的な使用料規程に基づく使用料相当額の認定について

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知財裁判例速報

平成29年(ワ)第29099号 損害賠償等請求事件:写真の著作物

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  • 2018/05/07
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事件番号等

平成29年(ワ)第29099号 損害賠償等請求事件

裁判年月日

平成30年4月26日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第46部)

権利種別

著作権(写真の著作物)

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求一部認容

主文

  1. 被告は,別紙写真目録記載の写真を掲載した別紙書籍目録記載の各書籍を印刷し,又は頒布してはならない。
  2. 被告は,別紙書籍目録記載の各書籍のうち別紙写真目録記載の写真を掲載した部分(別紙書籍目録記載の使用頁)を廃棄せよ。
  3. 被告は,原告に対し,40万円及びこれに対する平成21年8月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  4. 原告のその余の請求を棄却する。
  5. 訴訟費用はこれを10分し,その7を原告の,その余を被告の各負担とする。
  6. この判決は,第3項に限り,仮に執行することができる。

趣旨

  1. 主文第1項及び第2項と同旨
  2. 被告は,原告に対し,220万円及びこれに対する平成21年8月20日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

争点

(1)本件写真の著作物性
(2)本件写真に係る著作権の侵害の有無
(3)本件書籍の販売期間及び方法
(4)本件写真の著作権及び損害賠償請求権の帰属
(5)損害の発生の有無及び損害額

裁判所の判断

  • よって,原告の請求は主文第1項ないし第3項の限度で理由があるからこれらを認容し,原告のその余の請求は理由がないから棄却することとし,また,主文第1項及び第2項については,仮執行宣言を付すことは相当でないから,これを付さないこととし,主文第3項には仮執行宣言を付すこととして,主文のとおり判決する。

キーワード

創作性/本質的特徴/依拠性/使用料相当額の算定方法



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  ア 原告は,写真を使用する場合の標準的な使用料規程によれば,写真を書籍の中面で使用する場合,最低単位となる使用期間は5年間であり,被告は平成21年8月20日から現在まで本件書籍の販売を継続しているから,本件における使用料相当額は使用期間10年(最低使用期間5年×2)を基準として,278万円になると主張する。

  株式会社アフロが定める使用料規程においては,B7サイズの写真を書籍の中面で使用する場合の使用料相当額は,使用期間5年間で1点当たり2万円であり,同一利用者が同一書籍内で同一写真を複数回使用する場合の2回目以降は1万4000円(1回目の使用料の70%)である(甲5)。株式会社アマナイメージズが定める使用料規程においては,B7サイズの写真を単行本の中面で使用する場合の使用料相当額は使用期間5年間で1点当たり2万1060円であり,同一利用者が同一書籍内で同一写真を複数回使用する場合の2回目以降は1万4742円(1回目の使用料の70%)であり,「使用期間を超過しての増刷は別途料金が発生」すると定められている(甲6の1・5)。

  しかしながら,株式会社アマナイメージズが定める使用料規程においては,「使用期間を超過しての増刷は別途料金が発生」すると定められており(株式会社アフロが定める使用料規程には当該規定はないが,株式会社アマナイメージズが定める使用料規程と同様の仕組みであると考えられる。),上記各使用料規程における「使用期間」は,書籍の販売期間を指すものとは認められない。

  そして,本件書籍は第1版が発行された後,現在に至るまで増刷されていないから,原告の主張を直ちに採用することはできない。

 

判決文

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