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知財裁判例速報

平成29年(行ケ)第10197号 審決取消請求事件:処理可能な高熱中性子吸収Fe基合金

  • 2018/06/07
  • 知財裁判例速報

事件番号等

平成29年(行ケ)第10197号 審決取消請求事件

裁判年月日

平成30年5月30日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(2部)

権利種別

特許権(「処理可能な高熱中性子吸収Fe基合金」)

訴訟類型

行政訴訟:審決(拒絶)

結果

請求棄却

主文

  1. 原告の請求を棄却する。
  2. 訴訟費用は原告の負担とする。
  3. この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。

趣旨

特許庁が不服2017-3565号事件について平成29年6月23日にした審決を取り消す。

取消事由

争点は,特許出願手続において代理人の追加選任がされた場合におけるそれ以前から選任されていた代理人に対する拒絶査定の謄本の送達の効力である。

裁判所の判断

  • 本件拒絶査定がされ,その謄本が送達された時点では,原告の本願に係る代理人は,A弁理士,B弁理士外2名の弁理士であったところ,A弁理士に対し,本件拒絶査定の謄本の送達がされたことが認められる。特許法12条は,手続をする者の代理人が二人以上あるときは,特許庁に対しては,各人が本人を代理すると定めていることからすると,A弁理士への本件拒絶査定の謄本の送達は,原告への送達として,適法なものであり,上記送達は有効である。
  • 本件拒絶査定において,在外者については,特許法121条1項が定める期間(3月)が延長され,拒絶査定の謄本の送達があった日から4月以内が,拒絶査定不服審判請求をすることができる期間であると定められている(甲16)。前記1によると,本件審判請求がされた時点は,上記(1)の本件拒絶査定の謄本の送達があった日から4月の期間を経過していたことが明らかである。したがって,本件審判請求は,所定の期間経過後にされた点で不適法であり,その補正をすることができないものである。
  • 以上によると,原告の主張する取消事由は,理由がない。よって,主文のとおり判決する。

キーワード

特許出願手続において代理人の追加選任がされた場合におけるそれ以前から選任されていた代理人に対する拒絶査定の謄本の送達の効力相違点の判断


 

判決文