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知財裁判例速報

平成30年(行ケ)第10020号 審決取消請求事件:放熱フィン付き検査用照明器具

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  • 2018/07/02
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事件番号等

平成30年(行ケ)第10020号 審決取消請求事件

裁判年月日

平成30年6月27日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(第4部)

権利種別

意匠権(「放熱フィン付き検査用照明器具」)

訴訟類型

行政訴訟:審決(無効・不成立)

結果

請求棄却

主文

  1. 原告の請求を棄却する。
  2. 訴訟費用は原告の負担とする。

趣旨

特許庁が無効2017-880004号事件について平成29年12月27日にした審決を取り消す。

取消事由

  1. 本件登録意匠と甲1意匠との類否判断の誤り(取消事由1)
  2. 本件登録意匠と甲2意匠との類否判断の誤り(取消事由2)

裁判所の判断

  • 以上のとおり,原告主張の取消事由はいずれも理由がなく,本件審決にこれを取り消すべき違法は認められない。
  • したがって,原告の請求は棄却されるべきものである。

キーワード

部分意匠/共通点/差異点/類否判断



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  ①部分意匠制度は,「物品」に係る意匠とは別に,独立の取引の対象とならない「物品の部分」に係る意匠を保護する制度であり,部分意匠は,「物品の部分」の「形状,模様若しくは色彩又はこれらの結合であって,視覚を通じて美感を起こさせるもの」(意匠法2条1項)であること,②部分意匠の意匠登録を受けようとする場合には,「意匠に係る物品のうち,意匠登録を受けようとする部分を実線で描き,その他の部分を破線で描く等により意匠登録を受けようとする部分を特定し,かつ,意匠登録を受けようとする部分を特定する方法を願書の「【意匠の説明】」の欄に記載すること」(意匠法施行規則様式第6の「備考11」)とされていることに照らすと,類否判断の対象となる部分意匠の形態は,意匠登録出願の願書に「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」として特定された範囲から,視覚を通じて具体的に認識できる形態でなければならないものと解される。
 そして,本件登録意匠においては,別紙1の各図面の実線で表した部分(本件実線部分)が,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」として特定された部分であり,一方,別紙1の各図面の破線で表した部分は「意匠に係る物品」の物品全体の形態を示すために付加された部分であるから,本件登録意匠の形態の認定に当たっては,本件実線部分から,視覚を通じて具体的に認識できる形態を認定すべきである。
 これと同様に,甲1意匠の形態の認定に当たっては,「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」として特定された,別紙3の各図面の実線で表した部分(甲1相当部分)から,視覚を通じて具体的に認識できる形態を認定すべきである。
 …(中略)…一方,原告主張共通点に係る「後フィン部の後端面には電源ケーブルの引き出し口が存在しない,あるいは電源ケーブルが引き出されていない形態」は,本件実線部分及び甲1相当部分から視覚を通じて具体的に認識できる形態ではなく,別紙1及び3の各図面の破線で表した部分において,各軸体及び各フィン部の前方の部材の側周面から配線ケーブル又は電源ケーブルが引き出されていることから,「後フィン部の後端面には電源ケーブルの引き出し口が存在しない,あるいは電源ケーブルが引き出されていない」ことを間接的に把握できるにとどまるものである
 そうすると,原告主張共通点は,意匠登録出願の願書に「部分意匠として意匠登録を受けようとする部分」として特定された範囲(本件実線部分及び甲1相当部分)から,視覚を通じて具体的に認識できる形態とはいえないから,本件登録意匠(本件実線部分)と甲1意匠(甲1相当部分)の共通点と認めることができない。

 

判決文

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