お知らせ・コラム

知財裁判例速報

平成29年(行ケ)第10143号 審決取消請求事件:ウェーハレベルパッケージングにおけるフォトレジストストリッピングと残渣除去のための組成物及び方法

  • 知財裁判例速報
  • 2018/07/10
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

事件番号等

平成29年(行ケ)第10143号 審決取消請求事件

裁判年月日

平成30年7月5日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(3部)

権利種別

特許権(「ウェーハレベルパッケージングにおけるフォトレジストストリッピングと残渣除去のための組成物及び方法」)

訴訟類型

行政訴訟:審決(無効・成立)

結果

請求棄却

主文

  1. 原告の請求を棄却する。
  2. 訴訟費用は原告の負担とする。
  3. この判決に対する上告及び上告受理申立てのための付加期間を30日と定める。

趣旨

特許庁が無効2015-800143号事件について平成29年4月25日にした審決のうち,「特許第5456973号の請求項1ないし9に係る発明についての特許を無効とする。」との部分を取り消す。

取消事由

  1. 取消事由1(甲1発明Aに基づく容易想到性の判断の誤り)
  2. 取消事由2(甲1発明Bに基づく容易想到性の判断の誤り)
  3. 取消事由3(実施可能要件適合性の判断の誤り)
  4. 取消事由4(サポート要件適合性の判断の誤り)

裁判所の判断

  • 実施可能要件及びサポート要件に適合しないとして本件特許を無効とした審決の結論に誤りはないから,その余の取消事由について判断するまでもなく,原告の請求は理由がない。よって,主文のとおり判決する。

キーワード

特許請求の範囲の記載要件(サポート要件)/明細書の記載要件(実施可能要件)



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  原告は,原告が実施した追試実験において,pHが7付近の本件訂正発明に係る組成物及び有機アンモニウムとしてTMAHを含む本件訂正発明の組成物も所期の効果を奏するものであることが示されており,本件特許は実施可能要件に適合すると主張する。
 しかし,実施可能要件適合性は,出願時の技術常識を前提として,発明の詳細な説明の記載に基づいて判断すべきであって,出願後に提出された証拠によって要件適合性の立証をすることはできないというべきである。
 また,原告が提出した追試実験に係る証拠を考慮するとしても,これらの証拠には,レジスト除去作用と回路材料である金属の腐食防止作用とが両立することを示すものは見当たらず,依然として,基板からのポリマー,エッチング・アッシング残渣を除去することができることと,回路を形成する金属の損傷量を許容し得る範囲に抑えることとが両立しているような本件訂正発明に係る組成物が現実に得られるのかも判然としないというべきである。

(中略)…

 原告は,実施可能要件について主張したところと同様に,追加の実験結果を参酌すれば本件特許はサポート要件に適合すると主張する。
 しかし,出願後に提出された証拠によって要件該当性の立証をすることは許されないし,原告が提出した証拠を考慮するとしても,本件訂正発明の課題を解決できる組成物が現実に得られるのか判然としないことは,上記3の実施可能要件適合性に関する判断において説示したとおりである。

 

判決文

 RSSリーダーで購読する

内容についてご不明点などございましたら、ご遠慮なくお問い合わせ下さい



知的財産に関するご相談や疑問・質問など、お気軽にお問い合わせください。06-6345-7777 (営業時間:平日 9:00~18:00)