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平成27年(ワ)第2570号 著作権侵害差止等請求事件:舞踊の著作物

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  • 2018/10/05
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事件番号等

平成27年(ワ)第2570号 著作権侵害差止等請求事件

裁判年月日

平成30年9月20日

担当裁判所

大阪地方裁判所(民事第26部)

権利種別

著作権(舞踊の著作物「E Pili Mai」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求一部認容

主文

  1. 被告は,別紙被告教室目録記載の施設を始めとする被告が被告に所属する会員へのフラダンスの指導又はフラダンスの上演を行う日本国内の各施設において,別紙振付け目録記載6,11,13,15ないし17の各振付けを,自ら上演してはならず,かつ,被告に所属する会員又はその他第三者をして上演させてはならない。
  2. 被告は,原告に対し,43万3158円及びこれに対する平成29年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  3. 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
  4. 訴訟費用は,これを5分し,その3を原告の負担とし,その余を被告の負担とする。
  5. この判決は,第2項に限り,仮に執行することができる。
  6. 原告のために,この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。

趣旨

  1. 被告は,別紙被告教室目録記載の施設を始めとする被告が被告に所属する会員へのフラダンスの指導又はフラダンスの上演を行う日本国内の各施設において,別紙振付け目録記載の各振付けを,自ら上演してはならず,かつ,被告に所属する会員又はその他第三者をして上演させてはならない。
  2. 被告は,別紙被告教室目録記載5 の施設を始めとする被告が被告に所属する会員へのフラダンスの指導又はフラダンスの上演を行う日本国内の各施設において,別紙楽曲目録記載の各音楽著作物を,次の方法により演奏してはならない。
  3.  (1) 歌手をして歌唱させる方法
     (2) 楽器奏者にウクレレ,ギター,ベース,キーボード,ドラムセット,パーカッション等の楽器を演奏させる方法
     (3) 録音物再生装置を操作して再生する方法
  4. 被告は,原告に対し,250万3440円及びこれに対する平成29年11月1日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  5. 被告は,原告に対し,385万1910円及びこれに対する平成27年3月26日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。

争点

(1) 著作権侵害に係る請求(第1の1項ないし3項)関係
(各請求に共通の争点)
 ア 本件振付け6等の著作物性(争点1)
 イ 本件各振付けの著作権の譲渡又は永久使用許諾の有無(争点2)
(差止請求に固有の争点)
 ウ 被告が本件各楽曲を演奏し,本件各振付けを上演し又は上演させるおそれの有無(争点3)
(損害賠償請求に固有の争点)
 エ 被告による本件各楽曲及び本件振付け1等に係る著作権侵害行為の有無(争点4)
 オ 被告の故意又は過失の有無(争点5)
 カ 原告の損害額(争点6)
(2) 民法651条2項本文に基づく損害賠償請求(第1の4項)関係
 ア 本件解除が原告にとって不利な時期にされたものか(争点7)
 イ 本件解除についてやむを得ない事由があったか(争点8)
 ウ 原告の損害の有無及び額(争点9)

裁判所の判断

  • 以上の次第で,原告の請求は,被告に対し,著作権に基づき本件振付け6等の上演等の差止め,著作権侵害の不法行為に基づき43万3158円の損害賠償金及びこれに対する不法行為の後である平成29年11月1日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があるから,その限度で認容することとし(なお,主文第1項については,仮執行宣言を付するのは相当でないから,これを付さないこととする。),その余は理由がないことからいずれも棄却することとし,控訴期間の付加期間について民事訴訟法96条2項を適用して,主文のとおり判決する。

キーワード

舞踏の著作物/著作物性/上演権/有意な差異があるアレンジ/個性/譲渡



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  フラダンスに舞踊の著作物性が認められる場合に,その侵害が認められるためには,侵害対象とされたひとまとまりの上演内容に,作者の個性が認められる特定の歌詞対応部分の振付けの動作が含まれることが必要なことは当然であるが,それだけでは足りず,作者の個性が表れているとはいえない部分も含めて,当該ひとまとまりの上演内容について,当該フラダンスの一連の流れの動作たる舞踊としての特徴が感得されることを要すると解するのが相当である。

 

判決文

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