知財用語集

依拠

 著作権法において依拠とは、既存の著作物へ「アクセス」したことを要するものであって、創作した著作物の著作物性に関する箇所が他の著作物と「たまたま似てしまった」という偶然の暗合を排することを目的として、依拠性は同一性と共に著作権法における「複製」の要件の一つであると解されている。

 よって、既存の著作物に接する機会がなければ依拠性は否定され、既存の著作物と同一性のある作品が作成されたとしても、その著作物を複製したことにはならず、著作権(複製権)侵害の問題を生ずる余地はない(昭和50(オ)324(昭和53年9月7日最高裁判決))。

 なお、アクセスする行為自体は意識的かつ自発的である必要はなく、無意識に既存の著作物にアクセスした場合やアクセスした事実を忘れている場合でも成立し、たとえ本人が依拠性を否定したとしても、既存の著作物の周知性の高さや既存の著作物との類似性の高さからアクセスしたと推認できる場合には依拠性が認定され、複製と成り得る点には注意するべきである。



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