名誉毀損が不法行為として成立するか

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知財裁判例速報

平成29年(ワ)第25465号 著作者人格権確認等請求事件:音楽の著作物

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  • 2018/04/16
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事件番号等

平成29年(ワ)第25465号 著作者人格権確認等請求事件

裁判年月日

平成30年3月19日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第29部)

権利種別

著作権(音楽の著作物,言語の著作物) 

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求一部棄却

主文

  1. 本件訴えのうち,被告からの発注を受けて広告代理店大広が昭和39年に企画制作したテレビコマーシャルを原告が制作した事実の確認を求める部分を却下する。
  2. 原告のその余の請求をいずれも棄却する。
  3. 訴訟費用は原告の負担とする。

趣旨

  1. 被告の作品(昭和39年にテレビコマーシャルフィルムの企画制作の発注を被告から受けて広告代理店大広放送制作部Aチームが企画制作した作品であるテレビコマーシャル)につき,原告が制作した事実を確認する。
  2. 被告は,自社の社内報,ホームページに,広告代理店大広の社員であった原告が「やめられない,とまらない,かっぱえびせん」を考えた本人であったという5事実を記載した記事を掲載せよ。
  3. 被告は,原告に対し,1億5000万円を支払え。

争点

⑴ 原告が本件CMを制作した事実の確認を求める訴えは適法か(争点1)
⑵ 原告は,本件CMを制作したか(争点2)
⑶ 被告は,原告に対し,原告が本件キャッチフレーズを考えた本人であるとの事実を被告の社内報に掲載する旨を約したか(争点3)
⑷ 本件番組の放送及び本件新聞記事の掲載につき,被告に名誉毀損の不法行為が成立するか(争点4)
⑸ 被告が本件各書面を原告に送付した行為につき,侮辱の不法行為が成立するか(争点5)
⑹ 原告が受けた損害の額(争点6)

裁判所の判断

  • 以上によれば,本件訴えのうち,原告が本件CMを制作した事実の確認を求める部分は不適法であるからこれを却下することとし,その余の請求にはいずれも理由がないからこれらを棄却することとして,主文のとおり判決する。

キーワード

キャッチフレーズ/著作者人格権/名誉棄損/給付義務



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  原告は,被告が日本テレビをして本件番組を放送させ,毎日新聞をして本件新聞記事を掲載させたことが,原告のクリエイターとしての信用と名誉を毀損する不法行為に当たると主張する。
  しかし,本件番組及び本件新聞記事の内容は前記前提事実(第2,2⑵⑶)のとおりであり,原告については一切言及されていないし,原告が本件キャッチフレーズを考え出した者として,一般の視聴者ないし読者の間に認知されていたとの事情もうかがわれないから,視聴者なり読者の普通の注意と視聴の仕方ないし読み方とを基準として,本件番組及び本件新聞記事の内容が,原告の社会的評価を低下させるものと認めることはできない。


 

判決文

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