| 事件番号等 | 平成30年(行ケ)第10010号 審決取消請求事件 | 
| 裁判年月日 | 平成30年5月30日 | 
| 担当裁判所 | 知的財産高等裁判所(4部) | 
| 権利種別 | 意匠権(「中空鋼管材におけるボルト被套具」) | 
| 訴訟類型 | 行政訴訟:審決(拒絶) | 
| 結果 | 請求棄却 | 
| 主文 | 
	原告の請求を棄却する。訴訟費用は,原告の負担とする。 | 
| 趣旨 | 特許庁が不服2017-8670号事件について平成29年12月4日にした審決を取り消す。 | 
| 取消事由 | 本願意匠が意匠法3条2項に該当するとした判断の誤り 
	創作容易性の判断について意匠法3条2項の「公然知られた」について | 
| 裁判所の判断 | 
以上によれば,本願意匠は,引用意匠1及び引用意匠2の公然知られた形状に基づいて当業者が容易に創作できたものであり,意匠法3条2項に該当する。
よって,原告の請求は理由がないから棄却することとし,主文のとおり判決する。 | 
| キーワード | 創作非容易性/3条2項/公然知られた | 
実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。
   意匠法3条2項は,公然知られた形状等に基づいて容易に意匠の創作をすることができたときは,意匠登録を受けることができない旨を規定している。公然「知られた」との文言や,同条1項が,刊行物に記載された意匠(同条1項2号)と区別して「公然知られた意匠」(同条1項1号)を規定していることと対比すれば,「公然知られた」というためには,意匠登録出願前に,日本国内又は外国において,現実に不特定又は多数の者に知られたという事実が必要であると解すべきである。
 …(中略)…
 以上の事実を総合すると,引用意匠1及び引用意匠2の記載された公報が,いずれも,本願意匠の登録出願時まで長期にわたって公然知られ得る状態にあって,現実に不特定又は多数の者の閲覧に供されたことが認められる。そして,これらの事実によれば,これら公報に記載された引用意匠1及び引用意匠2に係る形状が,現実に不特定又は多数の者に知られた事実を,優に推認することができる。
 
判決文