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平成29年(行ケ)第10117号 特許取消決定取消請求事件:マイコプラズマ・ニューモニエ検出用イムノクロマトグラフィー試験デバイスおよびキット

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  • 2018/12/07
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事件番号等

平成29年(行ケ)第10117号 特許取消決定取消請求事件

裁判年月日

平成30年11月6日

担当裁判所

知的財産高等裁判所(3部)

権利種別

特許権(「マイコプラズマ・ニューモニエ検出用イムノクロマトグラフィー試験デバイスおよびキット」)

訴訟類型

行政訴訟:決定(取消)

結果

審決取消

主文

  1. 特許庁が異議2016-700611号事件について平成29年4月18日にした異議の決定を取り消す。
  2. 訴訟費用は被告の負担とする。

趣旨

主文同旨

取消事由

  1. 引用発明の認定及び一致点と相違点の認定の誤り(取消事由1)
  2. 相違点についての判断の誤り(取消事由2)
  3. 顕著な作用効果に関する認定の誤り(取消事由3)

裁判所の判断

  • 本件取消決定は,進歩性についての判断を行うに際し,引用発明の認定を誤った結果,第1の抗体及び第2の抗体としてモノクローナル抗体を用いる点と,患者サンプル中のマイコプラズマ・ニューモニエの検出を行う点についての相違点を看過し,なおかつ,これらの相違点に関する容易想到性の判断を全く行わないままに,進歩性欠如の結論を導いて(これを理由に)本件特許を取り消したものであるから,当該引用発明の認定の誤り及び相違点の看過は本件取消決定の結論に影響するものである。したがって,原告が主張する取消事由1は上記の限度で理由があるというべきであり,その余の取消事由につき検討するまでもなく,本件取消決定は取り消されるべきである。
  • よって,本件取消決定を取り消すこととし,主文のとおり判決する。

キーワード

進歩性(引用発明の認定,相違点の認定,相違点の判断)



実務上役立つと思われる点を、以下の通り判決文より抜粋する。

  (2) よってまず,引用例1から本件取消決定が認定した引用発明1を認定することができるかどうかについて検討する。
  特許法29条1項3号の「刊行物に記載された発明」は,当業者が,出願時の技術水準に基づいて本願発明(本件特許発明)を容易に発明することができたかどうかを判断する基礎となるべきものであるから,当該刊行物の記載から抽出し得る具体的な技術的思想でなければならない。また,本件特許発明は物の発明であるから,進歩性を検討するに当たって,刊行物に記載された物の発明との対比を行うことになるが,ここで,刊行物に物の発明が記載されているといえるためには,刊行物の記載及び本件特許の出願時(以下「本件出願時」という。)の技術常識に基づいて,当業者がその物を作れることが必要である
 かかる観点から本件について検討すると,引用例1の記載及び本件出願時の技術常識を考慮しても,引用発明1のデバイスを当業者が作れるように記載されているとはいえない。理由は以下のとおりである。

 

判決文

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