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成27年(ワ)第21684号 特許権侵害差止等請求事件:アルミニウム缶内にワインをパッケージングする方法

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  • 2018/05/09
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事件番号等

平成27年(ワ)第21684号 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日

平成30年4月20日

担当裁判所

東京地方裁判所(民事第40部)

権利種別

特許権(「アルミニウム缶内にワインをパッケージングする方法」)

訴訟類型

民事訴訟

結果

請求棄却

主文

  1. 原告の請求をいずれも棄却する。
  2. 訴訟費用は原告の負担とする。

趣旨

  1. 被告モンデ酒造は,別紙1記載の各方法(以下「被告各方法」という。)を使用してはならない。
  2. 被告モンデ酒造,被告伊藤忠食品及び被告セブンイレブン(以下,併せて「被告モンデ酒造ら」という。)は,別紙2記載の各製品(以下「被告各製品」という。)を販売してはならない。
  3. 被告モンデ酒造らは,被告各製品を廃棄せよ。
  4. 被告大和製罐は,別紙3記載の各アルミニウム缶(以下「被告各アルミ缶」という。)を製造し,又は販売してはならない。
  5. 被告大和製罐は,被告各アルミ缶を廃棄せよ。
  6. 被告らは,原告に対し,連帯して8000万円及びこれに対する平成27年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。
  7. 訴訟費用は被告らの負担とする。
  8. 仮執行宣言

争点

(1) 被告各方法は本件発明の技術的範囲に属するか
 ア 本件発明は単純方法の特許か
 イ 構成要件Bの充足性
(ア) 「35ppm未満の遊離SO2」を充足するか
(イ) 「塩化物」「スルフェート」を充足するか
 ウ 構成要件Cの充足性
(ア) 「耐食コーティング」を充足するか
(イ) 「ツーピースアルミニウム缶」を充足するか
(ウ) イ号方法に関し「缶内の圧力が最小25psi」を充足するか
 エ 構成要件Cについて均等侵害の成否
(2) 間接侵害の成否
(3) 無効の抗弁の成否
 ア 乙29発明及び乙30文献による進歩性欠如
 イ 乙29発明による新規性欠如
 ウ 乙29発明及び甲24文献による進歩性欠如
 エ 実施可能要件違反
 オ サポート要件違反
(4) 訂正の再抗弁の成否
 ア 本件訂正の適法性
 イ 被告各方法は本件訂正発明の技術的範囲に属するか(構成要件B’の充足性)
 ウ 本件訂正により無効理由が解消するか
(5) 損害の発生の有無及びその額

裁判所の判断

  • 本件発明に係る特許請求の範囲の記載は,特許を受けようとする発明が発明の詳細な説明に記載したものであるということはできないから,特許法36条6項1号に違反する。そして,この無効理由は,本件訂正によっても解消しない。よって,本件発明に係る特許は,特許法123条1項4号により特許無効審判により無効にされるべきものと認められるから,原告は,特許法104条の3第1項により,本件発明に係る特許権を行使することができない。
  • 本件発明に係るワインを製造することは困難ではないが,本件発明の効果に影響を及ぼし得る耐食コーティングの種類やワインの組成成分について,本件明細書の発明の詳細な説明には十分な開示がされているとはいい難いことに照らすと,本件明細書の発明の詳細の記載は,当業者が実施できる程度に明確かつ十分に記載されているということはできず,特許法36条4項1号に違反するというべきである。そして,この無効理由は,本件訂正によっても解消しない。よって,本件発明に係る特許は,特許法123条1項4号により特許無効審判により無効にされるべきものと認められるから,原告は,特許法104条の3第1項により,本件発明に係る特許権を行使することができない。
  • 以上によれば,その余の点につき判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないから,これらを棄却することとし,主文のとおり判決する。

キーワード

権利行使の制限(実施可能要件違反,サポート要件違反)



 

判決文

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