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意匠登録はどんなものが保護できる?【具体例】

  • 2018/10/17
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 意匠登録(意匠権)は、簡単に言えば、物品のデザインを模倣から守る権利です。
 意匠登録の対象となる「物品」は、例えば、次のようなものがあります。

【具体例1】テープカッター
【具体例1】テープカッター
(『意匠審査基準(平成30年6月6日一部修正版)』16頁)
 

文房具は意匠登録の対象です。
(ただし、「意匠に係る物品」の欄に、「文房具」と記載すると登録が認められない可能性がありますので、テープカッターと記載する必要があります。)


【具体例2】バス
【具体例2】バス
(『意匠審査基準(平成30年6月6日一部修正版)』16頁)
 

大型バスはもちろん、自動車のデザインも意匠登録の対象です。


【具体例3】歩数計機能付き電子計算機
【具体例3】歩数計機能付き電子計算機
(『意匠審査基準(平成30年6月6日一部修正版)』148頁)
 

スマートフォンやタブレット端末等の操作画面についても意匠登録の対象です。


【具体例4】「マシニングセンタ」又は「マシニングセンタ制御機能付き電気計算機」
【具体例4】「マシニングセンタ」又は「マシニングセンタ制御機能付き電気計算機」
(『意匠審査基準(平成30年6月6日一部修正版)』149頁)
 

操作画面としては、【具体例3】で述べたスマートフォンやタブレット端末の操作画面に限らず、モニターに表示されるような操作画面についても意匠登録の対象です。

 意匠登録の対象について、具体例をいくつか挙げましたが、実は、意匠権では保護できないデザインもあります。要するに、保護対象ではない物品ですが、例をいくつか挙げてみます。

例1.不動産
 基本的に、不動産は意匠登録の対象にはなりません。
 ただし、家屋については、実務上、「組立て家屋」として流通するものとして扱われており、保護の対象と扱われています。

例2.映画等のコンテンツ
【具体例3】【具体例4】で説明した「操作画像」については保護対象ですが、映画,ゲームの画像等のコンテンツは、意匠登録の対象にはなりません。
 また、コンピュータやスマートフォンに表示される壁紙自体も、意匠登録の対象にはなりません(ただし、操作画面の背景としては保護の対象です。)。

例3.ネオンや乗り物のライト等の光り方
 ネオン等の光り方にデザイン性があっても、意匠登録の対象にはなりません。


 意匠登録の対象になるか否かについては微妙な場合もあり、普段慣れていない方には判断が難しいことがあります。意匠登録の対象ではない物品について、意匠出願を行っても、登録を受けることができず、拒絶されます。
 そこで、意匠出願を行う際には、以下の方法で、意匠に係る物品が意匠登録の対象であるか否かをチェックしてみましょう。

  1. Google等の検索サイトから、「J-Plat-Pat」と検索し、「特許・実用新案‐特許情報プラットフォーム」をクリックする。
     特許・実用新案‐特許情報プラットフォーム(外部リンク)
    検索サイト  

  2. J-Plat-Patのトップページの上部メニューの「意匠」にカーソルを合わせ、「2.意匠公報テキスト検索」をクリックする。
     
  3. 「検索項目」を「意匠に係る物品」とし(デフォルトのままで可)、その右側の「検索キーワード」の欄に、出願しようとする物品名(ここでは、スマートフォンケース)を記入する。
    意匠公報テキスト検索

  4. 「検索」ボタンを押す。
検索結果が挙がれば、保護対象となり得る物品であることがわかります。


 出願した後に保護対象に当たらないことに気付いても、料金は戻ってきません。出願前にはチェックをすることをお勧めします。出願をご検討されている方は、無料でできますので、是非、やってみてください。

 その他、ご質問があれば、ここまでお気兼ねなくご質問ください。